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今週土曜日、同志社大学のシンポジウム「病院・施設の面会制限を考える」で講演をさせていただきます。

テーマは、「面会制限を文化人類学はどう捉えるか?」。

日本の病院施設における面会制限は、もはや「前提」となってしまったかのように、広く定着しています。

ところが海外に目を向けると面会制限の緩和が進んでおり、制限による弊害を指摘する論文も複数あります。それにもかかわらず、日本ではいまだに厳しい面会制限が続いており、その科学的根拠は明確ではありません。

医療系の大学院で教えたり、医療系の学会や講演で登壇したりする機会を通じて、「患者さん中心の医療」の大切さを医療者の方々から何度も伺ってきました。けれども、いま現場で「当然」とされている面会制限の現状は、その理念から大きく外れてしまっているように感じています。

もちろん、多くの医療者は今もなお、患者さんのための医療を志していると私は信じています。けれども、それが「組織」になると、なぜか逆の方向に進んでしまう――。それは医療に限らず、日本社会に広く見られる構造的な問題でもあると感じています。

だからこそ、この問題を個人の姿勢ではなく、構造の視点から捉え直すことが重要だと思っています

おそらく、厳しい面会制限は日本独特のかたちで、この社会に“慣習”として定着していくのかもしれません。いえ、とても残念ですが、「すでに定着してしまった」と言った方が適切でしょう。

それでも、「やはりおかしいのではないか?」

そう問い続けることには、たとえ状況がすぐに変わらなくとも、意味があると私は思います。

当日は、「感染対策か自由か」といった二項対立ではなく、「なぜそのような制限が“正当なもの”として維持されているのか?」という、社会と組織の構造に目を向けたいと考えています。

お申し込みはこちらから。

シンポジウムin京都/同志社大学 病院・施設の面会制限を考える これからどうする?感染対策


📚LINKS

面会制限やマスク…過度な感染対策いち早くやめた 静岡市立静岡病院長が医療人類学者とこの5年を振り返る 【フジヤマ6】

面会制限はどこまで続く?ー中日・東京新聞掲載のインタビュー記事を全文公開します | 磯野真穂ブログ


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