行動規制については、感染症の専門家は「人は行動規制でしか行動変容しない」という考え方で、緊急事態言を出すことに積極的でした。一方、経済学者は「人は情報でも動く」と考えていました。出口職略については、経済学者は「将来こういうことがあれば行動規制を和する」ということを今発表する方がよいと考えていましたが、「そんなことをすると今の時点で気のみが出てきて感染対策が級む」というのが医学系委員の考え方でした。(p47)
統計データを扱う専門家が医学とは別の価値観からデータに基づいたアクションを起こしてくれたことは、個人的に心強かったです。
「命か経済か」というとてもわかりやすく、そう掲げられたらみんな前者を取るだろうというような二項対立が散々掲げられましたが、経済の中に生活があって、命があることを一番よく知っていたのは、コロナ禍に経済学の立場から進言を続けた経済学者の方たちだったのではと思います。
経済学者の活躍については、仲田 泰祐さんと 藤井 大輔さんによる『コロナ危機、経済学者の挑戦 感染症対策と社会活動の両立をめざして』もお勧めです。